お言葉1「口を慎め」

されば王位の身なれども、思ふ事をばたやすく申さぬぞ。
『崇峻天皇御書』(すしゅんてんのうごしょ)

崇峻天皇は、聖徳太子に自分の顔の相を占わせた。
聖徳太子は嫌がったが、仕方なく占うと、
「陛下には人に殺される相があられる」
と申し上げた。
天皇は驚き、逃れる術を太子に問うた。
太子は、
「のがれるのは難しいが、仏教の忍波羅蜜に努めなさい」
と告げる。
天皇ははじめは忍辱に努めていたが、
次第に耐えられなくなり、ついに耐えることをやめてしまった。

ある日のこと、天皇にイノシシが献上された。
天皇は、何を思われたか、短刀をイノシシの目に刺し、
「にくきやつをこうしてしまいたい」
と仰った。
それを聞いた臣下の一人は、自分に危険が及ぶと思い、
部下に命じて、天皇を殺してしまった。

されば王位の身なれども、思ふ事をばたやすく申さぬぞ。
(たとえ王位の身であっても、思ったことは妄りに口にしてはならないぞ)

 

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